「酒好き」と呼ばれる者たち。
日本には昔から、「酒好き」と呼ばれる者たちが存在する。
こういう人達が隠れていることは、うすうす察しております。
人知れず世の動向を見極め、自らの鍛え上がられた洞察力を持って問題を未然に解決し、優れたコミュニケーション能力を持って社会に貢献したり、書き残したりしている人たちだ。
こう言う人を「酒好き」と言う。
「酒好き」達の普段は良く解らない。
職業や経歴は何も意味を持たず、だいたい職業や年齢などで人を見るのは気づきの無い人達でそんな人には一生「酒好き」は解らない。
「酒好き」と呼ばれる人は、居酒屋をやっていたり、トラックに乗って無線をやっていたり、格闘家だったり、医者だったりする。
この「酒好き」と呼ばれる者達には、平和主義者もいれば、過激派もいる。甘党も辛党もいればオタクもいる。
やり方や理屈はそれぞれに、自分流に自信を持っていらっしゃる。
ところがこういう人は何かが根底で似ているもので、どんな状況下に置かれても迷いが無く、如何なる困難に巻き込まれようとも、進んで時の権力者に貢献し社会問題を解決に導くのである。
時々、居酒屋で「酒好き」に合うことがある。
どうやら「酒好き」同士はすぐに解るようだが、会話はほとんどしない。
しかし、いざという時は非常に優れたコミュニケーション能力を発揮する。
また、こんなことを言われたことがある。
「いつでも準備は出来ていますから」
「何かあったら何時でも呼んでください」
など、「酒好き」達には何かしらの一体感があるようだ。
この間も初めて会った人とお酒の話で盛り上がったがどうも只者ではなさそうだ。その方はタクシーの運転手さんだった。
朝早くから起きて仕事をしていらっしゃる人にも「酒好き」はいる。その人は新聞の販売店さんだった。
ほかにもいらっしゃいます。解りやすいのはお医者さんの「酒好き」です。
共通しているのは目が輝いているのと、後はお酒が好きな事くらいで合うと挨拶をするくらいで付き合いはありません。
付き合いが始まる「酒好き」は偽物なのです。
昔から人知れず表に顔を出さない「酒好き」たちなのです。